
無人島で育ったロボットを主人公にした童話「野生のロボット」シリーズ第2巻、「帰れ 野生のロボット」の原書(英語版)と日本語版を読みました。
前作に引き続き、可愛い挿絵と豊かな自然描写、そしてロボットの健気さに癒されました。
シリーズについて
本編:三部作
本編は、三部作の構成になっています。
- The Wild Robot / 野生のロボット
- The Wild Robot Escapes / 帰れ 野生のロボット
- The Wild Robot Protects / 守れ 野生のロボット
続きものなので、この順番に読んでいくのをおすすめします。
第1巻のあらすじや感想は、別のページにまとめています。
絵本
本編は小説ですが、第1巻の絵本バージョンも出ています。第1巻を簡略化した内容のようです。
- The Wild Robot on the Island / やせいのロボット: むじん島のロズ
映画
第1巻は映画化もされています。
日本では、小説とは異なるタイトルで、2025年2月に公開されました。
- The Wild Robot / 野生の島のロズ
映画は、1作目の「野生のロボット」に基づいて制作されているようです。
あらすじ
ロボット達との戦いで故障したロズは、修理された後、とある牧場に配属される。
ロズは牧場の仕事に励みながらも、家族や仲間の待つ無人島に帰るため、逃亡の機会をうかがう。
感想
ついに人間社会と出会うロズ
前作の舞台は無人島でしたが、今作では人間の住む場所に移行し、ロズはついに人間と交流します。
物語は、牧場を営むシャリーフさんがロズを購入したところから始まります。
シャリーフさんには子供が2人いて、ロズは一家を助けるうちに親しくなっていきます。
ロボットの本来の目的である、人間を助ける仕事に励む生活は、ロズにとって満ち足りたものでした。それでも、息子であるガンのキラリや仲間のいる無人島に帰りたい気持ちを捨てられず、葛藤します。
異質とされながらも、なんとか動物たちの社会に受け入れてもらおうとする前作とは対照的に、今作では、認められ必要とされている場所にいるにもかかわらず、自分の心が本当に望む場所へ向かおうとするのが印象的でした。
人間とロボットを隔てるものは何か
今作では、人間社会で働くロボットたちがたくさん出てきます。
ロズが、無心で働くロボットたちの傍を通り過ぎるたびに、ロズがいかに人間的であるかが強調されるように感じました。
While marching northward, Roz passed beautiful boulevards and architecture and gardens and art. And yet she had to ignore it all. She had to act like a normal robot, and a normal robot would never wander the city admiring beautiful things. (p.208)
とちゅうには、美しい並木道や建物、庭園、芸術作品があった。でも、何ひとつ楽しむことはできなかった。ふつうのロボットのように行動しなくてはならないからね。ふつうのロボットは、美しいものを鑑賞して歩いたりしないんだ。(p.235)
美しいと感じる心、記憶を思い出に変えて大事にすること(p.114)、他者への気遣い(p.251)。これらは、ロボットらしくない、つまり、人間らしい要素として描かれているように思います。
これらを人間社会で暮らすロボット達は誰一人として身につけず、無人島で生活したロズが手に入れたのは、ものすごい皮肉なのでは……。
前作同様、イラストと自然描写が素敵
挿絵がものすご~く可愛いのと、自然の描写が豊かで魅力的なのは、今作でも引き継がれています。
ロズがぴょーんってしてる絵とか、ほんと可愛い。
自然の叙述は美しく、特に農場の四季が移り変わっていく景色は、目に浮かぶようでした。
英語について
こちらも前作同様、1章がとても短く、数分で読めるので、スキマ時間の英語学習にぴったりだと思います。
また、優しい物語なので、寝る前に読む本としてもオススメです。健やかな気持ちでぐっすり眠れそう。

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