
無人島で動物たちと暮らすロボットを主人公にした童話「野生のロボット」シリーズ第3巻、「守れ 野生のロボット」の原書(The Wild Robot Protects)と日本語版を読みました。
たくさんの可愛いらしい挿絵を楽しめるのは前作までと同様ですが、本作では温暖化や海洋汚染といった環境問題のテーマをより強く感じました。
シリーズについて
本編:三部作
本編は、三部作の構成になっています。
- The Wild Robot / 野生のロボット
- The Wild Robot Escapes / 帰れ 野生のロボット
- The Wild Robot Protects / 守れ 野生のロボット
続きものなので、この順番に読んでいくのをおすすめします。
2巻までのあらすじや感想は、別のページにまとめています。
絵本
本編は小説ですが、第1巻の絵本バージョンも出ています。第1巻を簡略化した内容のようです。
- The Wild Robot on the Island / やせいのロボット: むじん島のロズ
映画
第1巻は映画化もされています。
日本では、小説とは異なるタイトルで、2025年2月に公開されました。
- The Wild Robot / 野生の島のロズ
映画は、1作目の「野生のロボット」に基づいて制作されているようです。
あらすじ
無事に無人島に帰還し、動物たちとの再会を喜んでいたロズだったが、海から『毒潮』なるものが流れてきて、動物たちの命と生活が脅かされていく。今や大切な家族や仲間になった動物たちを守るため、ロズは『毒潮』を止める手がかりを求めて北の海を目指す。
感想
今回の冒険の舞台は海!
1巻は無人島、2巻は人間の住む街……と、ロズは各地を冒険してきましたが、今回は海に繰り出します。
この舞台が、3つの物語のなかで一番好きかもしれない。
自然を描写する文章に、海中のゆったりしていて少し怖い雰囲気が感じられるけど、かわいいイラストで緩和されます。
よく深海と宇宙は似ていると言われますが、ロボットとも相性がいいのか、深海のユニークな生き物とロボットが出会う場面がとてもかわいかった。
クジラの狩りの仕方やタコの擬態など、海の生き物の生態がいきいきと描かれているところも魅力的です。
1巻でロズが無人島の生き物の生態を観察するシーンがすごく好きだったので、海の生きものバージョンが読めてうれしい。
また、自然を題材にした物語だと、どうしても残酷というか自然の厳しさみたいなものが避けられないと思うけど、このシリーズは最後まで優しさにあふれていて(途中で亡くなる動物はいるけどショッキングではないと思う)、小さいお子さんに刺激の強くない物語を探している場合にもおすすめしたいです。
温暖化や海洋汚染などの環境問題
1巻でも海面上昇を示唆する記述がありましたが、本巻では温暖化や海洋汚染といった環境問題が明確に取り上げられています。
物語のカギとなる「毒潮」はまさに海洋汚染のことですし、温暖化による海面上昇で海に沈んだ町も登場します。
環境を守ることの大切さを強く訴えている作品だと感じました。
ロボットが守ったもの
環境保全の他にもうひとつ、シリーズを通してテーマになっているのが他者との絆かな。
本書で印象的だったのは、「毒潮」がきて恐ろしい世界になってしまった最中に子どもができて不安がる息子のキラリにロズが言う台詞です。
"The world can be scary sometimes," said Roz. "Whenever I am scared, I think of you, and I feel strong. (p.62)
生きていればこわいことも起こるわ。母さんは、こわくなったらいつもキラリのことを考えるの。そうすると、乗りこえられる気がするのよ。(p.68)
先が見えなくて不安な世の中でも、家族や仲間の存在は大きな力になる、というメッセージのように受けとりました。
英語多読におすすめのシリーズ
三部作と紹介されていることが多く、物語の区切りもついているので、本巻でシリーズ完結でしょうか。
1、2巻のレビューでも触れましたが、各章がものすごく短いので英語学習にぴったりだし、イラストがかわいくて本当に癒されるので大人にもおすすめのシリーズです。
映画はまだ見れていないので、そちらも楽しみです。
2、3巻も映画化されるのかな……?

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