
イギリスにおけるFBI的な組織に所属する刑事が主人公の<ワシントン・ポー>シリーズ。
邦訳の最新巻5作目まで読み終えたので、感想メモを残しておきます。
完全に自分用の覚え書きなので、あまり参考にならないかも。時間ができた時に、書き直したい。
※以下、ネタバレを含みますので、未読のかたはご注意ください。
シリーズについて
本編は、2025年3月現在、原書(英語)が6巻まで、日本語訳が5巻まで出ています。
- The Puppet Show / ストーンサークルの殺人
- Black Summer / ブラックサマーの殺人
- The Curator / キュレーターの殺人
- Dead Ground / グレイラットの殺人
- The Botanist / ボタニストの殺人
- The Mercy Chair / 邦訳未刊
- The Final Vow (2025年発売予定)
感想メモ
1. ストーンサークルの殺人
やや長め?だけど一気に読めた。
途中でだれたり飽きたりしないでぐいぐい読めて面白いミステリーだったんだけど、ここまで残酷にしなくても……という気はした。犯行手口というよりも、真相があまりにもひどい……。終盤で残酷さを畳みかけてくるところも辛かった。最後に、これで終わったら本当にイヤミスだよ!というところで救いのようなものがあったのはよかった。
残虐なシーン・読んでいて辛いシーンがあるところと、数学の天才女子と中年男性がペアで事件を解決するところで、『ドラゴン・タトゥーの女』を思い出した。ペアの性格は全然違うけど。
ポーが暮らすカンブリア州の田園の描写がすごく素敵で、現地に行きたくなる。
田園風景の美しさと、事件のグロテスクさの対比が強烈で、そこが一番印象に残る物語だった。
2. ブラックサマーの殺人
あらすじ
ポーが過去に担当し、解決した殺人事件の被害者が生きて現れる。ポーが捕まえた犯人は冤罪だったのか。
感想
殺されたはずの被害者が生きて現れる、という「謎」の部分が面白くて、それに引っ張られて最後まで一気に読ませられた。
ただ、肝心の種明かしの部分がちょっと肩透かしというか、もうちょっとなんかあるのかなと期待しすぎてしまってた。
前作で好きだった要素が今作でも失われてないのはよかった。
ポー、ティリー、フリンの関係がいい。
残酷描写もあるけどクスッとできる、息抜きできるところがある。エドガーが相変わらず可愛い。
作者の地元愛、カンブリア愛がいたるところに感じられるのがとてもいい。あと、熱いランドローバー推しを感じた。カンブリアとかスパニエルとかランドローバーとか、作者が好きなもの推してくるのすごい好き。他の州、犬、車とは一味違うんだぜ!って熱く語ってくる。さり気なく作中に忍ばせるとかではなく、ダイレクトに語りかけてくるの、微笑ましい。
具体的な道路名とか、カンブリア地元民の豆知識みたいなのも楽しい。
思わず膝を打つようなトリックではないかもしれないけど、夢中で読ませる展開だし、カンブリアを訪れてみたいと思わせられるシリーズ。
下手な観光CMより集客効果ありそう。シリーズを読破できたら、事件を辿る旅とかやってみたいけど、怖がりだから無理か……。
3. キュレーターの殺人
あらすじ
謎の文字列とともに被害者の指だけ発見されるという、怪奇的な連続殺人事件が発生。ポーたちが捜査を進めていくうちに、「キュレーター」なる謎の人物が浮かび上がってくる。
感想
いま日本で大問題になっている「闇バイト」に通ずるところがあるような事件を扱っていて、とてもタイムリーで興味深かった。
「カンブリア魂」好きw ちょいちょいカンブリアの歴史や説明入るの、ちょっと司馬遼太郎っぽい。地形や自然の説明になると熱が入るところは、このシリーズの特徴かな。楽しい。終盤は謎解きが気になってたから、くどく感じる時もあったけど。
物語はクリスマスイブから始まるので、年末年始の冬休みの読書にぴったり。
カンブリアの厳しい冬や吹雪の描写には、読みながら思わず目を眇めてしまった。
妊娠8か月で捜査をするのはまだしも、警護を担当するのは無茶苦茶すぎる。
このシリーズにしては比較的グロくないな~と思っていたら、終盤でものすごく心臓に悪い展開が。結局、今作もしっかりダークだったなぁ……。
4. グレイラットの殺人
あらすじ
イギリスで国際サミットが開催されることになった。サミットに向けて準備が進むなか、関係者が殺害される。ポーたちは国内外の捜査機関と協力しながら、事件解決を急ぐ。
感想
シリーズで1番好きかも。軍とか武器の詳細な描写とか、今までとは違う雰囲気。残虐さも抑えられていて、もちろん悲劇はあるけど、全体として明るい。今までの陰鬱とした感じはない。今回は活劇っぽい(?)。
ポーのハーレム化がすごい。とにかく有能な女性に囲まれすぎ。
頼れる女上司たち、天才女性分析官(無垢で世間ズレしていない&主人公に懐いてる)、敏腕女病理医(主人公に気がある)、有能FBI捜査官、ツンデレMI5(わからせ展開あり)。一方、男はたいてい悪人か間抜けか影が薄いかのどれか(アラスターは有能だけど若くないし)……と、こう書くとちょっとラノベっぽい。
英国人が、アメリカや自国の都市についてものすごおく主観的に書いてるの読むの楽しい。
5. ボタニストの殺人
あらすじ
いつもポーたちの捜査に協力してくれる凄腕病理医のドイル。彼女が、父親殺害の容疑で逮捕された。一方ポーたちは、有名人が脅迫状を送りつけられた後に殺されるという連続殺人事件の捜査にあたる。
感想
冒頭からいきなり日本が出てきてびっくり。
フリンが前線に復帰して嬉しい。先に根回ししておいてくれたり、ほんと頼れる。
前作同様、今作もグロくないのでとても読みやすかった。この路線で行ってほしい……。
密室殺人ものだけど、すごく驚くような捻りのあるトリックではないかも。
でも、相変わらずクスッと笑えるところが散りばめられていて楽しかった。





